王子様と甘い生活
「未来くん、これお弁当ね。」
「えっ?」
家を出る前に、未来くんにお弁当箱を渡した。
昨日、未来くんがお昼を買っているのを見て、メロンパン3個というバランスの悪さに驚いた。
成長期の男の子が菓子パン3個なんてありえないもんね。
だから、おせっかいかと思ったけど、お弁当を作ることにしたのだ。
「迷惑だったら、ごめんね?」
すると、未来くんは笑顔になって私に抱きついてきた。
「みっ、未来くん!?」
「お弁当とか、超うれしい!ありがとう芽依ちゃん!」
ぎゅうっと強く抱きしめられて、不覚にもドキッとした。
「ちょっ、未来くん!もう行かなきゃ、遅刻しちゃうよ。」
そう言って、離れるように未来くんの体を押した。
「ちぇっ、もっと抱きしめていたかったー。帰ってきたら続きしよっ!」
「未来くん!!!」
とりあえず、喜んでもらえて良かったー。
あんなに喜んでもらえると作ったかいがある。
そういえば…
坂井くんってお昼どうしてるんだろ?
まぁ、例え菓子パン3個食べていても、絶対お弁当なんて作ってあげないけど。