王子様と甘い生活
「げっ…彼方の昼飯それ!?」
クラスメートの声が響き、私は後ろを振り返った。
「別に、俺が何食べてても良いでしょ。」
なーんて良いながら、坂井くんはメロンパンの袋をあけている。
机の上には、メロンパンが1個、2個…
かっ、菓子パン兄弟!
「しっ、信じられない…」
兄弟そろって、どんな食生活してるのよ。
これは、遥くんと和人さんのお昼も気になってきた…。
もしかしたら、菓子パン親子かも。
「芽依のお弁当今日もおいしそー!」
そう言って、真子が私のお弁当箱をのぞく。
今日は、初めて未来くんの分も作った日だから、少しだけ気合いを入れて、からあげを作った。
「もうさぁー坂井くんの分も作ってあげれば?」
「絶対いや!」
「へっ?」
つい、勢いよく拒否してしまった。
真子と陽菜は驚いたようにきょとんとしていて、まずいと感じる。
「あっ…じょっ冗談だよ!」
ごまかしたつもりだったけど、全然ごまかせていなくて、怪しかった。
やっぱり今日は、ついてない。