王子様と甘い生活

◇◆◇◆◇◆

「あれ?鍵がない。」



掃除を終えて、教室でポケットをあさるが鈴の音が鳴らない。
なっ…なんで?



「掃除してる途中で、落としたんじゃない?」

「一緒に探そうか?」



真子と陽菜がそう言ってくれたけど…
なんだか今日は空がどんよりと暗い。



「ありがとう、でももうすぐ雨降りそうだし先に帰って良いよ!」



そう言って、2人と別れ、掃除場所だった渡り廊下に向かった。



あぁーあ…
何で鈴付きのチャームがが付いているのに落としちゃうんだろ。

そういえばあのチャーム、やっぱり坂井くんがつけてくれたの…かな。



「あれっ、芽依どうしたの?」



考えごとをしながら、鍵を探していたら、前から悠真が歩いてきた。



「実は、鍵なくしちゃって…」

「えぇ!?お前ほんとバカだなぁ。一緒に探してやるよ!」

「あっ、大丈夫だから!」



そう言うと、悠真は驚いたように目を丸くした。



「そんなこと言ったって、お前どうやって家はいるんだよ。おばさんまだ帰ってこないだろ?」



あっ…
そっか。お母さん以外に家族がいること、誰にも言ってないんだった。


だから、悠真も知ってるわけないんだよね。


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