王子様と甘い生活
「あっ、ごめん。そーだね、すごいね。」
どんな人なんだろう。そう考えるだけで、胸が苦しかった。
悠真が選んだ人なら、きっと良い人なんだと思う。
だけど、私にはそう思えなかった。
家族みたいに、近くにいた悠真がすごく遠くに感じた。
◇◆◇◆◇◆
「芽依ちゃん!」
「あっ、未来くん」
お昼休み、未来くんが教室にやってきた。
「どうしたの?」
「今日さ、一緒に帰ろ!またジェラート食べない?」
にこにこと嬉しそうに笑う未来くんに、キュンとする。
「そうだね、行こっか!」
「やった、じゃあ放課後玄関で待ち合わせね。」
そう言って、未来くんは教室から去っていった。
「未来、何のよう?」
「わっ、坂井くん!」
後ろからヒョイッと出てきた坂井くんに、ビクッとした。
「あっ、一緒に帰ろって。」
「ふーん」
聞いたくせに、興味のなさそうな返答。
「別に興味があったわけじゃないよ」
そう言って、くすっと笑った。
えぇっ?何で考えたことわかるの!?