王子様と甘い生活
「来週のプール掃除で、俺ら体育委員以外にも男女1人ずつ決めなくちゃいけないんだけど、いないと思うけど、立候補するやつ!」
帰りのHRで、悠真が声をかけるがもちろん誰も手を挙げない。
だいたい、いないってわかってるなら、立候補聞かなくて良いのに。
「じゃあ、くじ引きにするか!」
悠真が諦め気味にそう言った瞬間、坂井くんが手を挙げた。
「俺、やってもいいよ」
その瞬間、女の子が一斉に手を挙げた。
「私やる!」
「私がやる!」
すごっ…
恐るべし、クール王子パワー。
ということで、男子は坂井くんに決まり、女子はくじ引きで、真子に決まった。
真子は彼氏がいるくせに、坂井くんがやると言った時手を挙げた。
どういうこと?
それに、坂井くんだって生徒会が忙しいはずなのに、どうしたんだろ。
「坂井くん」
「ん?」
HRが終わり、帰り支度をしていた坂井くんに声をかけた。
「生徒会忙しいのに、プール掃除良かったの?」
すると、坂井くんがきょとんとした。
「あぁ…別に。それに行事の1つだから、偵察がてらに参加しておこうと思ってね。」
偵察?
やっぱり生徒会の仕事の1つってことかな。