王子様と甘い生活
「別に困ってないし。芽依ありがとな。こんな俺を好きって言ってくれて。」
そう言われて、私の胸はぽっとあたたかくなった。ありがとう悠真。
「悠真、早く先輩のところ行って。」
そう言って、悠真の背中を押す。
悠真が先輩と付き合っても、私と悠真の関係はきっと変わらない。
それはまるで、友達以上家族未満。
「ありがとな。」
そう言って、悠真は振り返って私の頭をくしゃっと撫でた。
「そういや、俺ちょっとだけヤキモチ焼いてたんだよなぁ。」
「へっ?」
「家族に対して妬くことってあるだろ?」
「どんなヤキモチ焼いたの?」
悠真は、私の耳に口を寄せてコソッと囁いた。
「~……………」
「っ…ちがうから!」
悠真の言葉が衝撃で、どんっと悠真を押す。
「照れんなよ!でもまぁ、妹はまだ渡せないけどな。」
そう言って、悠真はにやっと笑うと屋上から去っていった。
ちょっ…
妹って私!?
悠真に言われたことが頭の中を巡る。
ちがう…絶対違う!
そう自分に言い聞かせるように頭をぶんぶんと横に振った。