王子様と甘い生活
Ⅲ
期末テスト
「えぇ!?悠真に告って振られたぁ?」
「ちょっ…声大きいよ。」
そう言って、真子の口をふさいだ。
ずっと隠していた気持ち。2人には隠していたらいけないと思って話すことにした。
坂井くんとの同居のことは、まだ言えそうにないけど…。
「芽依…がんばったね」
そう言って、陽菜が頭を撫でてくれた。
「ありがとう、陽菜。」
「で、いつから好きだったの?」
真子が身を乗り出して聞いてくる。
あぁーあ、やっぱり口ふさいでおけばよかった。
「好きだったのは、中学かな?」
「好きだった?」
「うん。」
ずっと好きなのは事実だけど、悠真に対する気持ちは、恋愛じゃなくて家族に対する気持ちみたいなものだったんだ。
先輩に家族をとられる、そんなヤキモチを妬いてしまったんだろうな。
「それに、悠真に言われたんだ。お前、ドキドキする相手は俺じゃないだろって。」
それでわかった。
悠真にドキドキすることは、ずっとなかった。
全部見透かされていたんだ。