王子様と甘い生活
◇◆◇◆◇◆
「ごちそーさま!」
「どうしたの?そんなに急いで」
いつもはのんびり夕食を食べている私が、1番に席を立ったのを見て未来くんが驚く。
「もうすぐテストでしょ?だから勉強!」
「ふふっ、芽依ねぇ~数学が苦手なの、だから頑張らないとね。」
「もぉーお母さん!」
余計なこと言わなくて良いのに。坂井くんをちらっとみると、もくもくと私が作ったハンバーグを食べていた。
「芽依ちゃん、夏休み遊ぼうね!だから頑張って!」
未来くんがニコニコと笑った。
「芽依ちゃん、彼方に教えてもらったら?彼方って数学すごい得意だよ。」
遥くんの言葉に少しドキッとした。
一応同じクラスだし、坂井くんが頭が良いのは知っている。でも…
「芽依ちゃんやめといた方がいいよ!彼方兄ちゃん超スパルタだから!」
「えぇ!?」
ちらっと顔を見るも、坂井くんは知らんぷりでご飯を食べていた。
教えてもらえたらって、ちょっと期待したけど、確かに怖そうだし…
「とりあえず、自力でがんばるね」
そう言って、私はリビングから出た。
はぁぁ…
数学やだな。