王子様と甘い生活
「良いの?」



恐る恐る聞くと、坂井くんがクスッと笑った。



「別に良いよ。それに朝は吉沢さんが起こしてくれるんでしょ?」



ドキッとした。
意地悪く笑う坂井くんをもう何度見たんだろう。私がドキドキしてるのをわかってるような…

そんな意地悪な笑顔。



「さっ、始めよっか。」



絶対仲良くなれないと思っていた坂井くんが、私の部屋にいて、ベッドに座っている。
そんな環境が、余計に私をドキドキさせた。



◇◆◇◆◇◆◇◆

「終わったー!」



時計を見ると1時を回っていた。でも意外と早く終わったかも。



「坂井くん、ありがとう」

「どういたしまして。でも全然終わってないからね?今日もやるから。」

「えっ、良いの?」



すると、坂井くんはふっと笑った。



「俺はもう範囲終わってるから良いよ。」

「えぇ?」



テスト1週間前にして範囲終わってるって…
さすが学年1位。
やるな…。



「じゃあ、おやすみ」

「うん、おやすみなさい」



振り返って、坂井くんが少し笑った。
意地悪だけど、優しくて、微笑まれただけでドキドキしちゃう…
私…重症かも。


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