王子様と甘い生活
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「んー…」
ジリリリリリ…



耳元で聞こえる目覚ましの音。背中が暖かい。それにやけに布団が重く感じるし、なんだか体に巻き付いてる。

ん?
巻き付いてる?


耳を澄ますと聞こえる規則正しい寝息。



「ひゃあっ、みみみ未来くん!?」



なんと隣では未来くんが寝ていた。








「こら未来!芽依ちゃんの布団で寝るなんてなんてだめじゃないか!」



リビングで和人さんが顔を真っ赤にして未来くんを怒っている。
でも当事者の未来くんはしらんぷりして、トーストをかじっていた。


「あの…和人さんそんな怒らなくていいよ?」

「そうよ、添い寝くらいかわいいじゃない!芽依弟欲しかったもんね?」



お母さんが口を挟む。
だから、それいつの話?だいたい未来くんは1つしか違わない男の子なんだけど!

お母さんはケラケラ笑っていて、和人さんは未来くんを睨む。
すると、未来くんがぷくっと頬を膨らませていった。



「だってさぁ~、昨日芽依ちゃんってば遅くまで彼方兄ちゃんと勉強してたんだよ?俺だって芽依ちゃんといたいのにー!」

「みっ、未来くん!」

「あらまぁ!彼方くんといたの?」



その瞬間、お母さんがにやりと笑う。
はぁ…知られたくなかったのに!


「あの…私坂井くん起こしてくる!」



いたたまれなくなって、私はリビングから出た。
それに、そろそろ坂井くんを起こさなくちゃいけないし。



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