王子様と甘い生活
夕飯後、部屋に入る坂井くんに声をかけた。
「坂井くん、ちょっといい?」
「どーぞ」
坂井くんはくすっと笑うと、部屋に通してくれた。
相変わらず整った部屋に緊張する。
「座れば?」
「あっ、うん」
促されて私はベッドの上に座った。
「あの…この度は大変お世話になりました。おかげさまで、成績がぐんっとあがりました。」
そう言って、ぺこりと頭を下げた。
すると坂井くんがふっと優しく笑う。
「10番なんてすごいね。正直見直したよ。数学何点だったの?」
「93点。あの…ちなみに坂井くんは?」
気になっていたことを聞くことにした。だって私に勉強教えて成績が下がったりなんてしたら…
「100点だけど?」
「へっ?」
「心配しなくても学年1位だから安心して?」
おこがましいこと考えて申し訳ありませんです。坂井くんを見くびっていました、はい。