王子様と甘い生活

「すっ、すごいね。1位だったんだ。」

「まぁね、で?お礼は何してくれるの?」



33番も順位があがったならお礼されても良いねと坂井くんが笑った。



「これ、お礼です!」



そう言って、坂井くんに包みを差し出した。
坂井くんは不思議そうに包みを見つめる。



「何これ?」

「ハーツのプレミアムプリン。」

「はっ?」



ハーツとはこの辺りで有名なケーキ屋さんで、そこのプレミアムプリンをお礼に買った。

1つ600円もするんだから!



「プリン嫌い?」

「いや、普通。」

「じゃあ、大好きになるよ!」



値段が値段だから、私だってめったに食べない。
だけど1度食べたらやみつきになること間違いない。



すると坂井くんがくすっと笑った。
えっ…ー?



「お礼にしては、安すぎない?」

「へっ?」

「俺、プリンよりもこっちが良いな。」



そういわれた瞬間、坂井くんの手が後頭部に触れ、強く引き寄せられた。


< 88 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop