王子様と甘い生活
「俺たちも早く行こう、遅刻するよ。」
そう言って、3人で家を出た。そういえば、3人で登校するなんて、初めてかも。
駅に着いて、電車に乗り込む。学校までは3駅だけど、混んでると3駅さえもつらい。
「芽依ちゃん大丈夫?」
押しつぶされそうになりながら、未来くんが心配そうに声をかけてくれた。
「うん、ありがとう。」
すると、急に電車がガタンと揺れて人が倒れ込んできた。
「ひゃっ…」
つぶされそうになったとき、腕をぐいっと引っ張られた。
「えっ…」
見ると坂井くんに、体を引き寄せられていた。
「危ないから、こっち」
そう言って、かばうように体を寄せられた。
やだ…体くっついてる!
混んでいるせいで、密着する体。こんなに近くに立つなんて思わなくてドキドキし始めてしまった。
すると、坂井くんがくすっと笑う。
「ねぇ、緊張してるの?」
「えっ…」
くすっと笑うと、坂井くんが耳に唇を寄せてきた。