王子様と甘い生活
学校に着くと未来くんは別の校舎のため離れてしまった。
うぅ…
もうすぐクラスに着くけど、坂井くんと2人って気まずい!
ちらりと隣を見ると、坂井くんは普段通り、クールな表情だった。
「何?」
「あっ…」
前を見つめていた坂井くんが私の視線に気がついて、こちらをみた。
目があって、かぁっと血が上る。
「べっ、別に!」
なんで?
キスされたくらいで、何でこんなに動揺してるの私!
っていうか…
何でキスなんてしたのよ坂井くん!!!!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
クラスに着けば、私と坂井くんの間には長い距離ができる。
兄弟になったことは、まだ誰にもひみつ。
放課後、真子と陽菜と話していたら未来くんが教室にやって来た。
「芽依ちゃーん、ちょっと良い?」
「あっ、うん!」
廊下に出ると未来くんが小さい声で言った。