王子様と甘い生活
「んっ…やぁ…」
「嫌?嫌がってる割には良さそうだけど?」
「っ…」
唇を少し離して、至近距離で意地悪を言う。
「本当に嫌なら、止めるけど?」
「っ…」
嫌じゃない。嫌じゃないけどこんなことしてて良いのかな?
だって、付き合ってるわけじゃないんだし…。
それに、私達…
きょうだいなんだよ?
「芽依、嫌なの?」
そう思っていたのに、両手で顔を包まれて、じっと見つめられたら、そんなこと吹き飛んでしまって。
薄暗い中でもわかる、坂井くんの整った顔が見えた。
「や…じゃない」
そう言った瞬間、一気に唇を塞がれた。
さっきとは比べものにならないキスに、私の頭は真っ白になった。