キルティガーデン駅
「贋作で金賞をとる人間に、さくらは負けないで。さくらの『こころ』がこもったあの絵画には、どんな作品も劣るわ」
「だから、恋人を憎むこともやめ、ひたむきに頑張るの。諦めないで、失敗しても前向きに」
アリファは、目を綴じながら私に言いました
その瞬間、汽笛の音がなりました
電車が来たのでしょう
私の中の、憎しみの気持ちは少女と話すことで、綺麗に消えました
「ありがとう、アリファ。贋作にだって劣らない絵画を私、描けるように頑張るわ。また、会いましょう」
ベンチから立ち上がる私に、
「『また』はもうないの」
と一言、少女が発した瞬間
目の前が真っ暗になりました