キルティガーデン駅
「…お姉さんは、ここでなにをしているの?」
小さい綺麗な唇が微かに動いて、言葉を発しました
「えっ、私は、電車を待っているんだけど…」
ここは駅なのだから、当たり前じゃないか、と思って少女の顔を見ると、少し目を伏せながら何かを考えているようです
「お姉さん、名前は?」
「えっ」
突然の質問
しかし少女は、しっかり私の目を見て言います
翡翠色の綺麗な目で
「あっ、高梨 さくらって言うんだけど」
「さくら…
じゃぁ4月生まれかしら
日本は四季がはっきりと分かれているから素敵ね」
「あなたは日本人じゃないの?」