キルティガーデン駅

「……ええ……憎いわ」


どのくらい時間が経ったかわからないけれど、この少女と過ごしている今は、恋人であった正喜くんと過ごす時間よりも大切に感じたのです



「でも、さくらは前を向ける人間」


ぽつり、とアリファが言いました


「え?」


「だからここに来た?」


「ここ?」



ゆっくり私のほうを向いて、「ええ」と言うと、少女は片方の手を私の頬に当てました



そして目をつむりながら


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