先生~あなたに届くまで~

紅茶のいい香りがする。

「ほい!!まぁ飲め!!」

と机の上に紅茶が出された。

「ありがとうございます。」

私がそう言うと

「どういたしまして。」

と笑いながらパソコンに向かった。



静かな時間が流れる。


先生がキーボードを打つ音が
心地よくて少し目を閉じる。






「浅川。
 お前3つの願い考えたの?」

急に声がして驚いて目を開ける。

パソコンの前に座っている先生が
こちらを見ていた。


「にしても890点以上とるとはねぇ。
 お前ならやりかねないとは思ったけど。

 教師になって初めて見たわ!!
 あんな点数!!」

先生は感心したように笑った。


「私も初めて見ました。」

「はは!!
 自分で取ったのに他人事みたいだな!!」

「今回は自分でも
 ちょっと驚いてたんです。
 さすがに無理かなぁと思ってたんで。」

私が苦笑いすると

「いや。俺はやると思ってたね。」

と先生は笑った。


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