先生~あなたに届くまで~

嫌な静けさだ。


「んぅ。それはちょっと駄目だな。」


やっぱり。

何で言ったんだろう。

心が沈んでいくのが自分でもわかる。


「そうですよね。」

私は明るく笑いながら言った。


「悪いな。理由もなくお前だけ
 ここに連れて来るのは良くないんだわ。」

「いえいえ。
 わかってて言ったんで。」

落ち込んでいる事を悟られない様に
平静を装う。


「補修とかならな!!
けど浅川に補修なんて
必要なさすぎるしな!!

まぁ1人は良くないから
 小林とか新藤と一緒に来い。

 そん時は
 紅茶の一杯くらい淹れるよ。」


「わかりました。
 その時は遠慮なくいただきます。」

私が笑って頭を下げると


「おう!!
 いい紅茶仕入れとくよ!!」

といつもの笑顔でそう言った。


「期待しときます!!
 じゃあ資料作りの続きしますね。」

私が微笑むと

先生は「よろしくな。」と

またパソコンに向かった。



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