先生~あなたに届くまで~

あの日、車で送ってもらった日から
一か月近く経つ。


中間試験が終わったと思ったら
もう期末試験。


「あぁ!!!!
 試験ばっかりで嫌になる...。
 もう嫌だ~!!!」

春菜は試験前になると
テンションが急降下する。

「春菜!!
 今日一緒に帰ろう!!
 俺部活休みだし!!」

そんなテンション急降下な春菜に
健が話しかける。

「あぁ。うん。
 一緒に帰ろう。」

相変わらずテンションは低いまま。

「健君も大変ね...。
 さっさと連れて帰っちゃって。」

早絵は苦笑しながら健に言った。

「おう!!もう慣れてるから!!
 ほれ!!春菜帰るよ!!」

健は春菜にかばんを渡して
手を引いて立ち上がらせた。


「二人ともまた明日ねぇ。」

春菜は力なく手を振った。

私と早絵は苦笑しながら

「勉強しなよ」と言い手を振った。


春菜は健に手を引かれながら
帰っていった。


「もう。ほんとに。
 健君は良い彼氏よね。」

早絵は呆れた顔をしながら
笑っている。

「うん。確かに。
 まぁ可愛くて仕方ないんじゃない?」

私も笑いながら言う。


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