先生~あなたに届くまで~

近くて遠い


期末試験が終わり夏休み2日前。

期末試験も中間試験には劣るが
学年一番の成績をとった。


周りから言わせると

“天才”“真面目”“完璧”らしい。

ただ私を良く知る
早絵と春菜から言わせると

“真面目”“おやじ”“おっちょこちょい”

という事で何だか残念な結果。


そして今は4時間目が終わったところ。


「ねぇ雪音♪
 私先生にプリント出しに行かなきゃ
 いけないんだけど、何処にいるかな?」

春菜が尋ねる。

「あぁ。
 4時間目は授業ないはずだし
 社会科準備室にいるんじゃない?」

「さすが雪音ぇ♪
 先生のことは雪音に聞くのが一番早い♪」

春菜の言葉に
私は恥ずかしくて苦笑する。


この3ヶ月間
先生を目で追う生活を続けた結果

ほぼストーカー並みに

先生のスケジュールを覚えてしまった。


我ながら恐ろしい。


「こういう所にも記憶力は発揮できるのね。
 頭がいいに越したことはないわ。」

早絵は真面目な顔で私をからかっている。

はははと私は空笑いをした。



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