先生~あなたに届くまで~
ふっと先生の笑った吐息が
頭の上で聞こえた。
恐る恐る顔を上げる。
「よく出来た学級委員長だな。」
そう言ってまたふっと笑った。
私がつい言葉にする先生への想いも
先生はまるで気づかない様に
まるで聞こえてない様に
上手に遠ざかっていくから...。
私の想いはまた募るばかりで...。
「先生...。」
私の言葉を遮る様に
「浅川!!
昼飯食べないと休み時間終わるぞ!!」
先生は明るい声を出した。
戻りなさいと言えばいいのに。
これ以上はここにいるなと言えばいいのに。
先生は優しい。
「はい。
昼休みの時間取ってしまって
すみませんでした。」
私はそう言って笑って見せる。
「俺は大丈夫!!
飯食うの早いし!!
小林にちゃんと自分で持ってこいって
言っといて!!
じゃあ午後も授業頑張れよ!!」
先生はにっこり笑って私を送り出すから
「はい。
ちゃんと伝えときますね!!
失礼します。」
私はそう言うしかなくなる。