先生~あなたに届くまで~

先生が教えてくれたこと


「浅川?
 そろそろ休憩する?」

と先生に声をかけられて時計を見ると
作業を始めて20分ほど経っていた。


今日は夏休みにある日本史補習の為の
プリントを綴じている。

またホッチキスの鬼と化して
バチバチと止め続けていた。


「浅川に頼むと本当仕事早いわ!!」

先生はまた感心したように頷いている。

そして紅茶を机にトンッと置いた。


この前と香りが違う。


本当にちゃんと違う紅茶を用意してくれてたんだ。

そう思うとそれだけで嬉しかった。


「先生?紅茶美味しいです。」

パソコンの前にいる先生に話しかける。

「ん?それは良かった!!
 美味しい紅茶くらい出さないと
 浅川に怒られるかもしれないからな!!」

先生は手を動かしながら笑った。


「んぅそうですね。
 紅茶なかったらもう帰ってたかも。」

「おぉ危ねぇ。
 ちゃんと買っといて良かったわ。」

なんて先生が言うから

買ってくれてたんだと、また嬉しくなった。

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