先生~あなたに届くまで~

さっきまで
明るく温かく感じていた空気が

まるで嘘のように...。

重くて冷たい空気に感じられる。




だけど

もう言葉にせずにはいられなかった。





先生が沈黙を破る。

「浅川。」


私は真っ直ぐ先生を見つめたまま。





「浅川。
 俺はやめとけ。」




先生の言葉が頭をいっぱいにする。


「私が生徒だからですか?」


「ああ。」


「どうしても駄目ですか?」


「ああ。」


「生徒だからっていう理由だけですか?」


「ああ。

 浅川。あとは俺がするから
 今日はもう帰りなさい。」


先生は私から目を逸らして
パソコン前から立ち上がると

私の目の前に立って
プリントを綴じ始めた。

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