先生~あなたに届くまで~
新しい出会い
ピピピピピピ....。
目覚ましの音が遠く聞こえる。
“あぁ夢だったのか”
心の中で呟いて目を開ける。
頬は濡れている。
こうして先生の夢を見て
目が覚める朝をもう何度迎えただろう。
「私の頭って
こんなに悪かったんだ。」
そう呟くと笑いが出た。
「雪音~♪
おはよう♪寒いねぇ!!」
春菜が私の背中に衝撃を与える。
「おはよう!!
ほんと寒いね!!」
「寒いって言いながら
春菜はどんだけ元気なのよ。」
いつもの呆れた声で早絵が歩いてくる。
「おはよう!!早絵!!」
「おはよ。雪音。」
いつもの朝。
季節は寒さが厳しくなり始めた
11月の中旬になった。
相変わらず先生の車を
探す癖はまだ治っていない。
車を探す癖だけじゃない。
休み時間、移動教室、
先生を探す癖も治っていない。
夜寝る前
思い出すのは先生の顔、先生の声。
気づけば先生の事を考えている。
気づけば
少しでも先生の近くにいたいと思ってる。
“私こんなに諦め悪かったっけ”
こうしてあれから
約4カ月位こんな生活を送っている。