先生~あなたに届くまで~

私達は四人で教室に向かった。

すると前で春菜と話しながら
歩いていた健がばっと振り返った。

「あっ!!そういえば雪音!!」

「な、なに?」

あまりにも突然振り返って
名前を呼ぶから驚いてしまう。

「あのさ!!バスケ部の渡辺わかる?」

「渡辺君?うん。
 一年の時同じクラスだったよね?」

確か健と仲良くて
バスケ部の人がいたな位の記憶。

渡辺なに君かはわからない。


「そうそう!!んで、渡辺が
 雪音と仲良くなりたいらしくて!!」

「私と?なんで?」

さっぱりわからないという顔をすると

「んぅ...何て言うか...
 気になるんだって!!雪音のこと!!」

「え゛っ?ありえない...。」


そう。
自分で言うのもあれだけど
早絵や春菜といる以外の私は...

他人の言葉を借りると

“真面目”“天才”“完璧”

ってな感じで....。

更に言うと人見知りもある為

若干...いや結構、無愛想だ。


その為モテる要素は一切ない。

それは悲しいくらいに...。


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