先生~あなたに届くまで~

「そんな嫌そうな顔するなよ!!
 とりあえず...
 話してみて考えるってどう?

 今日さちょうど試合後で1日だけ
 部活休みなんだわ!!

 だからこの四人プラス渡辺で
 飯食いに行こうぜ!!

 なっ?だめっ?」

健はまるで自分の事のように
畳みかけて説得している。


正直なとこ、あまり気乗りしない。


まだ先生以外の人のことを
好きになれるとは全く思えない。


返事に困っていると春菜が

「雪音。
 ちょっと他の人も見てみたら?

 無理にとは言わないけど。」

私の隣に来て健に聞こえない様に
小さな声でそう言った。

健をもう一度見る。

頼むって言わんばかりに
手を合わせている。


「全然話せないかもよ?」

私がそう言うと

「全然大丈夫!!」

健は元気に返答する。

「わかった。じゃあ今日の放課後ね。」

私の言葉を聞いた瞬間

「まじ!?
 渡辺喜ぶよ!!サンキュー雪音♪」

と健は大はしゃぎだ。

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