先生~あなたに届くまで~

そんな健の姿を見ながら
私達は三人で顔を見合わせて笑った。


すると後ろから

「お前達、朝から元気だね!!」

という声が聞こえる。


先生だ。



「おっ!!先生おはよ!!
 実はさ雪音に恋の予感なんだよ♪」

健はさっきのテンションのまま
先生に話し始める。

それを聞いた春菜は

「健っ!!!!!
 健は余計な事言わないの!!!!!」

慌てて健の手を引いて
教室に歩き出す。

春菜は健の手を引いたまま
ばっと振り返って

「別に恋の予感の
 “こ”の字もないから!!」と言った。


健は「春菜!!そんな言い方ないだろ!!」
とか言いながら手を引かれて歩いて行った。


まるで嵐のように
二人が歩いて行った後は静かになった。


通常の廊下に戻った後

「小林も橋本も元気だなぁ!!」

先生は何事もなかったかの様に
そう言って教室に向かって歩き出した。

そして

「高校時代は
 たくさん恋しないとな!!

 お前達良い恋しろよ!!」

と私と早絵の方を振り返って笑った。


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