先生~あなたに届くまで~

教室に入ると春菜が私に駆け寄った。

「雪音!!ほんとごめん!!
 ほんとごめんね!!」

あまりにも必死に謝ってくれるから
こっちが申し訳ない気持ちになる。

「春菜♪
 そんなに謝らなくていいから!!
 別に誰も悪くないし!!

 それにおかげで
 ちょっとスッキリしたの。」

そう言って私が笑うから
春菜は不思議そうに
「本当?」と尋ねた。

「ほんとだよ!!
 だから心配しないで♪
 健にも怒っちゃ駄目だからね!!」

私がそう言うと春菜は
訳はわからないけど安心したって
表情になった。


「ちょっと雪音!!
 あんた何言ったの?」

今度は教室に入ってきた早絵が
私に駆け寄る。


「あっ!!早絵ごめんね!!
 勝手に先に行っちゃって!!」


「そんなことは全然いいのよ。
 けど本当に何言ったの?

 伊原先生ね
 一瞬立ち止まって
 険しい顔したと思ったら

 今度は頭抱えたまま
ふって笑っちゃって...

 それはもう気持ち悪かったわよ。」


早絵の言葉を聞いて
そんな顔してたんだと思った。


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