先生~あなたに届くまで~
「それでさ!!
昨日の試合の時に優輝がさ
ホイッスル間際にスリーポイント
決めてさー!!
それで試合勝っちゃったわけよ!!」
「健。お前声でかすぎ。」
健は店に来てから
ずーっとハイテンションのまま
話し続けている。
渡辺君は良い加減で突っ込みを
入れてくれていた。
そしてたまに
「浅川さんはバスケ見た事ある?」
と話しを振ってくれる。
そのおかげで人見知りの私も
何とか話す事が出来た。
“ほんと良い人だなぁ”
と思うけど
最低な事に頭の中は
ずっと先生でいっぱいだった。
先生に少しでも私の言葉の意味は
伝わっただろうか。
少しは気に止めてくれてるだろうか。
今日日誌を持って行かなかった事
不思議に思ってくれてるだろうか。
頭の中はそれだけでいっぱいだった。