先生~あなたに届くまで~

キンコーン...

チャイムが鳴り終わる前に
「雪音!」とお弁当を持った春菜がすごい勢いで
席まで来た。

「ちゃんと待ったんだから今すぐ話して!」

「わかってるから。」

私は苦笑いしたまま春菜を連れて早絵の席に行く。

「早絵。今日中庭でもいい?」

早絵は私の質問に笑顔で頷いた。



中庭は寒くてほとんど人がいない。
だからここに来た。

「それで?」
初めに声を出したのはもちろん春菜。

「ちゃんと話すから落ち着いて。」

私は苦笑い気味に話し始めた。

初めて優輝と登校した日の放課後
先生にもう一度告白したこと。

絶対に生徒としてしか
見れないと断られたこと。

そして抱きしめられたこと。

抱きしめたことを失敗したと謝られたこと。

そして今日そのことを笑い飛ばして
やっと許せたこと。

2人は静かに私の話しを聞いてくれた。

「とまぁこんな感じかな。」






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