先生~あなたに届くまで~
友情と愛情
「早絵?優輝のこと好き?」
私は素直に質問した。
早絵は少し目を見開いたけど
すぐに冷静さを取り繕った。
「何言ってるのよ。」
だけど声には戸惑いの色が隠せない。
「早絵?隠さないでよ。」
私は確信を持った。
初めて優輝に送ってもらった次の日
早絵が珍しく考え事をしていたこと。
私から優輝とのことを
聞き出そうとした春菜を
真剣に止めていたこと。
今朝も真剣に怒ってくれたこと。
戸惑いを隠せないその声。
その全てが早絵が優輝を好きだと
物語っていたのに私は気づけずにいた。
自分のことばかりで...。
「早絵?」
私の呼びかけに早絵はふっと笑った。
「とうとうばれちゃったわね。」
少し伏し目がちにため息をついた。
そしてポツリポツリと話し始める。
「1年の時同じクラスだったでしょ?
って雪音は覚えてないんだっけ?」
早絵は少し意地悪そうに私に笑いかけた。
「ごめん。。」
私は謝るしか出来なくて
目線を地面に向ける。
「冗談よ。
今まで私ね、
周りの男の子達って皆子どもに見えて
全く興味なんてなかったの。」
「確かに早絵からしたら
皆は子どもに見えるかも。」
春菜は妙に納得して頷く。
「そう。
すぐ騒ぐし何で盛り上がってるんだろう。
って感じでね。」
早絵は呆れたように笑う。