先生~あなたに届くまで~
先生は私の腕を掴んだまま
話し始めた。
「浅川。
俺はお前がさ笑顔でいられるように
祈ってるから。
辛いことあった分
その倍笑ってられるように願ってるから。
ありがとな。
お前が特別だと想ってくれた気持ちは
忘れないから。」
先生は優しい声で
私をあやす様にそう言った。
先生の言葉が温かくて
こんな風に接するのは
これが最後だろうと思うと
胸が苦しかった。
片想いに
本当の終わりなんてないからこそ
自分で終止符を打つ日がきて...
その日がこんなにも悲しくて
切ないものだと初めて知った。
私はただ先生の言葉に
俯いたまま頷くしかできなかった。
「浅川。」
先生の声が頭の上から響く。