先生~あなたに届くまで~

膨れっ面のまま2人の方を見る。
2人は私が腹を立てていること自体を
楽しんでいる。


そして先生の背中を見た。

肩が縦に揺れている...。

「あれは完全に笑ってるわね。」

と面白そうに早絵がもう1度私の肩を
叩きながら呟いた。

面白くない。
全く面白くなんかない。

オヤジで結構だよ。


心の中で悪態をつきながら
いつまでも怒ってるわけには
いかないと笑顔を作った。

「今日は珍しい雪音
 見れてよかったね♪」

「そうね。
 なかなか面白いものを見たわ。」

楽しそうに話す2人に
私もつられて歩きだした。





――――――――

先生?

正直に言うとね
人に腹をたてたり
怒鳴ったりしたことなんてなくて

凄く新鮮だったの。

先生が私を変えたなんて言ったら
また笑ってくれる?


――――――――



< 22 / 220 >

この作品をシェア

pagetop