先生~あなたに届くまで~
優等生
ガラッ
教室の扉が開く。
先生が職員室から戻ってきた。
「席付けー」
先生の言葉にバラバラと皆席に着く。
「よーしホームルーム始めるぞ。」
私は極力目が合わないように
廊下側の窓の方を見つめていた。
「じゃあ早速だけど
俺の自己紹介は終わったし
皆に自己紹介してもらおうかな。
ざっとでいいから。
じゃあ。浅川から。」
私はいつもの笑顔を作り
さっと立ちあがった。
「浅川雪音です。部活は入ってません。
1年間よろしくお願いします。」
パチパチと拍手が聞こえて
席に着こうと前を見ると
微笑んでこっちを見てる先生と目が合った。
私は微笑み返さず目を逸らす。
“子どもみたい”
自分で自分に少し呆れた。
先生は何も気にする様子もなく
「じゃあ次飯田!!」
と後ろの席の人に目線を向けた。