先生~あなたに届くまで~

張り詰めた空気の中
もう1度先生の方を見る。

先生は優しい顔でこちらを見ていた。



「いいですよ。学級委員します。」

私が極力明るい声でそう言うと


周りの人達から

「ありがとう」
「ごめんな」
「ちゃんと手伝ったりするから」

と声をかけられた。



「ありがとう。よろしくね。」
と私はまた笑顔を作った。


小学校の時からしっかりしてるねと
言われてきた。

学級委員だって
ほとんどの学年でしてきた。

自分で言うのもだけど
勉強だってしっかりやってきた。

そういう自分を嫌いじゃないけど
好きではなかった。

しっかりしたかったわけじゃない。
勉強だって好きだったわけじゃない。

ただお母さんを悲しませたくなかった。
お母さんが笑ってくれるならって...。



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