先生~あなたに届くまで~
イライラしながら歩いていると
社会科準備室に着いた。
少しはイライラを落ち着かせようと
扉の前で1度深呼吸をする。
シーンと静まり返った廊下に
ふーっと私の呼吸だけが響いた。
その静けさが
私の気持ちを少し落ち着かせた。
“コンコン”
ノックの音が廊下に響いた。
返事はない。
“コンコン”
もう1度ノックしてみる。
やはり返事はない。
“何だ。いないのかな。
せっかくここまで来たのに...。”
少し苛立ちを感じ、扉に手をかけてみる。
鍵がかかっていない。
扉をそっと開ける。