先生~あなたに届くまで~
「俺、浅川に嫌われてると思ってた。」
突然おかしそうに笑う声が聞こえる。
私は驚いて涙が止まった。
私が何も言わないことをいいことに
先生が更に話し続ける。
「おっ‼その顔は図星だな‼
ひどいなぁ‼俺はショックだよ。」
いつものテンションの先生に
頭がついていかない。
「浅川ぁ。
ちょっとは否定しろよぉ‼
まぁどうせ俺はチャラいしな。
仕方ないか...。」
わざとらしく落ち込む先生。
ちゃらい
チャラい
チャラい!?
「き、き、き、聞こえてたんですか!?」
私は思い出した途端
自分でも驚く程の声が出た‼
「そりゃ聞こえるでしょ。
結構な大きさで呟いてたから。」
先生は苦笑しながら私を見る。
「そ、それは、その....」
私は先生が自己紹介をした時の事を
思い出し、とても目が合わせられない...。