先生~あなたに届くまで~

その声があまりに真剣で


振り向けなかった。


「失礼します。」

そう言い残して部屋を出た。


廊下を走る。

走る。

走る。

私の足音だけが廊下に響いた。






ーーーーーー

先生?

あの時から
先生が上手く逃げていくから

私はずっと追いつけないでいるよ。

今なら逃げずに向き合ってくれますか?


ーーーーーー


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