先生~あなたに届くまで~
校門が目の前に迫り
最後の登り坂を歩いていると
青い4WDが横を通り過ぎた。
ふっと車の方を見る。
運転手の人と目が合った気がした。
ドク、ドク、ドク....
それは凄く長い時間に感じて
周りの音さえ聞こえなかった...。
聞こえたのは...
うるさくなる自分の心臓の音だけ...。
騒ぐ春菜の声も
受け流すような早絵の声も
...遠くに感じた。
私だけが立ち止まったまま
車が通り過ぎた場所を眺めていた。
この時はまだこの感覚が何なのか。
そしてこの先に待ち受けることなんて
1つも想像していなかった。
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先生?
あの日目が合ったと感じたのは
私だけですか?
私はきっとあの日から...。
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