先生~あなたに届くまで~

校門が目の前に迫り
最後の登り坂を歩いていると

青い4WDが横を通り過ぎた。

ふっと車の方を見る。














運転手の人と目が合った気がした。








ドク、ドク、ドク....




それは凄く長い時間に感じて
周りの音さえ聞こえなかった...。


聞こえたのは...
うるさくなる自分の心臓の音だけ...。


騒ぐ春菜の声も
受け流すような早絵の声も
...遠くに感じた。

私だけが立ち止まったまま
車が通り過ぎた場所を眺めていた。




この時はまだこの感覚が何なのか。
そしてこの先に待ち受けることなんて
1つも想像していなかった。




――――――――

先生?
あの日目が合ったと感じたのは
私だけですか?

私はきっとあの日から...。

――――――――




< 6 / 220 >

この作品をシェア

pagetop