先生~あなたに届くまで~
「そうなの?大丈夫か?」
先生はまた私の顔を覗き込む。
今日先生の顔を近くで見るのは
二回目だけど
やっぱり慣れない。
顔に熱が集まるのがわかったから
私はとっさに顔を背ける。
「大丈夫ですから!!
体調管理はしっかり出来てます!!
ご心配おかけしました。」
私は慌ててそう言った。
絶対に嫌な態度をとっている。
自分でもわかるのに
どうしていいのかわからなくなっていた。
なのに先生は
「元気そうで良かったよ!!
でも無理はするなよ!!
いつもちゃんと頑張ってるんだ。
休んでも誰も文句は言わないよ。」
笑顔でそう言って
また頭をぽんぽん撫でて
教壇の方へ歩いていった。
先生はいつも私が欲しい言葉をくれる。
先生の触れた場所が温かく感じた。
“先生、ありがとう”
いつも大事な言葉は出てこない。
また心の中で呟いた。