先生~あなたに届くまで~

あの後早絵と春菜からも
あからさまに先生を避けて見えたと言われ
何だか気まずい思いになった。

そう思う日に限って、先生の授業がある。

先生の日本史は
色んな雑学を交えて授業してくれるから
ぐんぐんと引き込まれていく。


“先生の授業好きだな...”


そう思いながら先生をちらっと見る。

先生は楽しそうに
そして真剣に私達に語りかけてくれている。



“先生が好きだな...”



改めてそう思った。


すると先生は

「今日は中間試験前の
 小テストするぞー!!」

と言った。

「えー!!!!」
「聞いてないーーー!!!」
「絶対やばいよ...。」等々、

クラス中からブーイングが起きる。

でも先生は全く気にする様子もなく

「日頃から
 きちんと復習してるやつは余裕だな!!」

と私の方をちらっと見て笑った。


私は嬉しくて恥ずかしくて
はにかんだ顔を隠すように下を向いた。

「よし!!
 じゃあ配るぞー!!」

先生はそう言って小テストを配り始めた。


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