先生~あなたに届くまで~
皆ブーイングをしていたのに諦めた様に
静かに小テストを受け始めた。
先生が机間巡視を始める。
後ろの方の席で
「先生ここの答えは?」
「答えを言うわけないだろ!!」
という、やりとりが聞こえて
クラスは一瞬くすくすと笑いが起きた。
「ほらほら!!
静かにやれよ!!あと5分だぞ!!」
と先生が言うとまた静かになった。
先生の足音がこっちに近づく。
ただそれだけなのに
胸がドクドクと鳴る。
先生の影が私の少し後ろで止まる。
小さな声で「あっ」と
呟いたのが聞こえた。
その声にそっと影の方に振り向く。
先生はこちらを見ていた。
そして私に苦笑いを浮かべ
「赤ペン貸してくれない?」
と私にしか聞こえない声で囁いた。