先生~あなたに届くまで~

何人か採点に並ぶのを確認してから
私も列に並んだ。

一人ひとりに簡単なアドバイスを
しながら採点をしていく。

“先生を好きだ”

という気持ちに気付いてからは
更に先生の良い所ばかりが目につく。


本当に生徒思いの良い先生だ。



私の番になる。

先生は私の顔と赤ペンを交互に見て
ふっと笑った後、採点を始めた。


「さすがだな。
 もう言うことはないよ!!」


採点された小テストは満点だった。


「あー。
 だけど一つ言いたいことがある!!
 
 いつも完璧じゃなくてもいい。
 ちょっとは肩の力抜けよ。

 倒れたら運ぶの俺だろ?
 俺あんまり力はないんだよな。」

なんて先生が言うから
私はおかしくて、嬉しくて


素直に笑いが出た。


「はい。
 ご迷惑かけない様に気をつけます。」

私はそう言って自分の席に戻った。

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