先生~あなたに届くまで~

採点をしたせいで
次の授業時間のぎりぎりになっていた。

ふと小テストに目をやると
“サンキュ"と書いてあった。

それと同時に

「皆悪かったな!!
 次の授業も頑張れよ!!」

先生がそう言い残して
教室を出ていく。


教室の扉に手をかけ
私の方をバッと振り返って

「浅川!!悪い!!
 赤ペンこのまま貸しといて!!
 日誌持ってきてくれた時に返すわ!!」

と言って私の返事も聞かずに
バタバタと教室から出て行った。


あっけにとられた私は
先生が出て行った扉に向かって

「はい」と小さく返事をした。




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先生?

想いは募るばかりで
今でも先生への想いを持て余してるよ。

特別になれなくても
側にいたいです。

それはやっぱり望みすぎですか?


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