先生~あなたに届くまで~
隠しきれない想い
ただ赤ペンを貸しただけ。
ただそれだけの事なのに
少し特別になれた気がして
私は少し浮かれていた。
「毎日思ってたんだけど...
日誌ってこんなにちゃんと
書かなきゃいけないものなのー?」
春菜は退屈そうに
机にうつ伏せたまま話し始める。
早絵は春菜の言葉にため息をもらし
「そうね。
春菜以外が書く時は,どの日誌も
ちゃんと書かれてるんじゃない?」
といつものようにさらっと
話しを流した後で
「でも確かに雪音は真面目すぎよ。
日誌位、簡単に書いていいのに。」
と私の方を見てふふっと笑った。
「早絵ひどいー!!
でも言うとおりだね!!
よしっ‼今日はもう持ってちゃおう♪」
春菜はそう言うと
強制的に日誌を閉じた。
「あー‼
もうちょっとだったのにぃ。」
私がそう言うと
てへっと春菜が笑った。
早絵も「たまにはいいじゃない?」
と微笑んでいる。
2人の言葉に私もついつい
「じゃあ今日だけね‼」
と笑ってしまった。
いつもと変わらない
穏やかで賑やかな放課後だった。