先生~あなたに届くまで~
心臓がバクバク鳴る。
息が苦しくなる。
それはまるで...
自分が告白したような感覚に陥った。
廊下が一段と静かに感じる。
荒くなる呼吸を抑えるように
手で口を覆った。
その時
「後藤、ごめんな。」
先生の声が聞こえた。
「お前の気持ちには応えられない。」
その声は優しくて
でも真っ直ぐ力強い声だった。
後藤さんがすすり泣く声が聞こえる。
「私が生徒だからですか?」
まるで私の心の声を代弁するかの様に
後藤さんが尋ねた。
「あぁ。
俺は生徒を恋愛対象には出来ない。
お前ら皆、俺の大事な生徒だよ。」
先生は迷いのない声で
ハッキリそう告げた。
私の目からは涙が溢れていた。