先生~あなたに届くまで~
ぱっと顔を上げ春菜を見ると
すでに“?”マークの付いた顔をしてる。
「雪音ぇ。とうさすうれつって何ぃ?」
春菜が泣きそうだ。
さすがに私もやばいと思って
早絵を見ると首を横に振っている。
「どうしようもないわね...。」
その言葉を聞いて
一層泣きそうになる春菜。
「ちょっと待ってて!!
教室に置いてきた
参考書取ってくるから!!」
私は慌てて席を立って教室に向かった。
教室の扉を開けようとする。
誰かが教室にいるのがわかった。
その後ろ姿は間違いなく
先生だ。
窓の外を見て先生は佇んでいた。