先生~あなたに届くまで~

ぱっと顔を上げ春菜を見ると
すでに“?”マークの付いた顔をしてる。

「雪音ぇ。とうさすうれつって何ぃ?」
春菜が泣きそうだ。

さすがに私もやばいと思って
早絵を見ると首を横に振っている。

「どうしようもないわね...。」

その言葉を聞いて
一層泣きそうになる春菜。


「ちょっと待ってて!!
 教室に置いてきた
 参考書取ってくるから!!」

私は慌てて席を立って教室に向かった。


教室の扉を開けようとする。

誰かが教室にいるのがわかった。

その後ろ姿は間違いなく



先生だ。



窓の外を見て先生は佇んでいた。




< 83 / 220 >

この作品をシェア

pagetop