先生~あなたに届くまで~
「ちょっと偉そうだったな。」
先生は恥ずかしそうに苦笑した。
先生はずるい。
私が必死に先生の事を考えない様にしても
こうして一瞬で心を乱していく。
いや。
本当は考えないようにしようと思っている間
ずっと先生の事を考えていた。
“もうダメだ。”
諦められない。
もう忘れられない。
何度先生の前で泣いただろう。
本当に嫌になる。
「何か俺、
浅川のこと泣かせてばっかりだな。」
と先生が苦笑するから
「先生のせいです。」
と泣きながら笑って見せた。
「やっぱりそうかぁ。」と
いつもの様に
わざと落ち込む先生が面白くて
私はまた笑った。
「浅川は笑った方がいいな!!」
と先生は一人で納得している。